そして、 見えてきた、 小さなお店。 打ち水された石畳の玄関先。 その横には手入れの行き届いた木々と、 少し大きめの鉢があって中にはあふれんばかりの水。 深緑色の藻の合間を小さなめだかがたくさん泳いでる。 ヒノキの引き戸。 いつもこの店に来ると、 ここだけ時間が止まっているように感じる。 「ここなの、 由美子と一緒にくる店」 そう言って がら、 と少し重たい扉を開ける。