『その時計もお鍋もお皿も、スイッチコードも枕も、その女が持ち込んだものだわ!
今すぐに捨ててきて!』

江梨は全て集め、ゴミ袋に入れてヒロに捨ててこさせた。

『もうこれ以上待てない、すぐに結婚しないと信じないから!』

その夜から、江梨とケイは酷く高い熱を出した。

翌日市内の病院に行ったが、あまりに熱が高く予断ならない病状で次の日もケイとヒロと三人で過ごした。

その夜の事である。



ルルルル……

ルルルル……


『どうして出ないの?』

電話は留守番電話になり、切れる度にかかってきた。

『ヒロちゃん……これはあまりに変よ』

そして、何十回か目の時にメッセージが入った。

「もしもし?ヒロ君今から行くから待っててね」

ツーツーツー……