目の焦点が合わなくなり、左右の目が別々にグルグル回った。

その時!いきなり激しい苦しみが江梨を襲った。

後の説明によると手違いで医療ミスが起こり、麻酔が効く前に筋肉施緩剤が効いてしまい、江梨は意識があるまま呼吸が停止してしまったのだ。

『グッ……ググググゥゥゥ……!』

「どうしましたか!?おい!どうした!」

『イ・キ・ガ……デ・キ・ナ・イ……』

江梨は顔にラップでも巻かれたように、真っ赤になって肺をへこませ、全ての息を吐きだしてしまった。

オペ台で、手足を拘束されているので、動ける部分だけが魚のように何度も跳ね、トイレもバルーンのせいで行けなかったので思いきり失禁した。

死ぬ程の苦痛と屈辱であった。