ヒロの家族は信じられない位ヒロを可愛がっていた。

そして、支配していた。

部活も遊びもさせてもらえず、いい学校に進ませ、親の自慢になる一流企業に就職させ、親の面倒をみろと言うのがあたりまえに毎日留守電に入って、しかも父、母、姉がそれぞれ別にかけてきてはさんざん、

「まだ学校?試験終わった?お疲れ様でした。ご飯は何を食べた?戸締まりはしなさい。」

等と、各自が別々に留守電に長々と入れたあげく、

「帰ったら電話して」

と、言うような家庭だった。

親に小さな頃からマインドコントロールされていて、

【親に従わない事はとんでもない事】

と、植え付けられていた。

反抗した事は一度もなかった。