「ヒロちゃん……」

江梨は急に真顔で座ると、バッグから何枚かの紙を取り出した。


『ヒロちゃんの事を思って書いた詩だよ』

いくつかの詩を見てヒロは涙ぐんだ。



【私はどうしようもない理由で君が私と別れても、君の幸せを遠くで祈り続ける事を誓います】

そう書いた後に、ヒロも書き足した。


【俺はどうしようもない理由で君が俺と別れても、君の幸せを遠くで祈り続ける事を誓います】


二人は抱きあって目が腫れる程泣いた。


「泣き虫だね、俺達」

『帰るの辛い』

「俺も会いに行くよ。特急で3時間半なんだから、バイト頑張って会いに行く。」

次の日二人は泣く泣くホームで別れた。


『好きなのに、なんでこんなに辛いんだろう……』