ヒロと離婚する時向こうの両親は、意地でも慰謝料ではなく解決金として実質は慰謝料を払った。

お金目的だと思われていたからである。

間もなく小さな子供を抱えていても働けるように、江梨は職業訓練学校のOA科に応募して、離婚が当たり前の昨今母子家庭だと優遇される事もなく、試験を受けて権利を得た。

一度目の離婚に際して、一般事務科で取れるだけとった資格をスキルアップした。

一度目の時は借金を抱えていたのでまず夜も働いたが、昼学校に通うようになっても、店の都合で働き続けていた。

水商売に慣れることなく苦痛なまま、宿題もできない環境で工業簿記も二級電卓も一級まで取得した。

二度目は総務、税務、PCが主であったが、PCの教師はよく子供が熱を出して授業を休む江梨に血も涙もない位冷たかった。

ある雪の朝凍結で転倒事故に会い、遅れて怪我したまま教室でその旨を伝えた江梨に、もうやめなさいと言った程だ。

頑張って最後まで登校して職探しをしたが、皆小さな子供がいる人は困ると断られ、解決金が出た日から当然福祉は打ち切られていたから内職をしながら保育園を確保していた。

やがて仕事につけないままお金も無くなり、また辛い事を言われながら福祉を受けながら暮らしていた。