そんな江梨の入院中に、純一は職場から病院まで数分と近いのに関わらずたった2度だけやってきて、

『こんな傷がついた体になってしまって、歩けないし働きにも行けない』

と、嘆く江梨に、

「どうせ僕だけに一生抱かれるんだし、仕事なんかできる体じゃないんだから、歩けなくても傷が残っても別にいいだろう」

そう言ってすぐ帰り、間もなくアメリカに留学した。


純一は、国際電話を時にかけてきては、江梨に甘い言葉を囁いてきたが江梨は傷心の日々を送っていた。

その時にも純一は信じられない話を江梨に平然とした。

「旅行に女の子を誘ったら、やっぱり旅費は僕が全部出すべきかな?」