「・・・ただ性格悪いけどね」 私は自分の長い爪を少し噛む。 自分で言ってて悲しい。 「性格はね~まあたまに可愛いとこあるよ」 里枝はそういっていつも私をフォローしてくれる。 優しくて、可愛くて、ふんわりしたオーラをもった、典型的な男受けタイプ。 けど口に出して彼女に可愛いなんて言えない。 私の方が可愛いもの。 「ねえ、梨菜。」 里枝のやわらかい声が私の耳に響く。 こんな甘くて優しい声、私はもってない。