「そういえばさ、千文ちゃん、
新見くんと仲良いんだっけ?」
「え?」
突然朔の名前が出てきたから、
私は少し過剰に反応してしまったかも
でも私は、別に仲が良い訳じゃない
少し、少しだけ、話してみただけ
「別に、そんなに仲が
良い訳じゃないよ…」
私は少しだけ雪乃ちゃんから
目をそらした
ちょっとだけ、ビクビクしていた
朔のことが好きだってことが
バレてしまいそうだったから。
雪乃ちゃんは結構鋭いんだ
「実はさあ」
そう言って雪乃ちゃんは窓の外を眺めた
「昨日新見くんとお話しちゃった」
「え!?」
私は目を大きくさせて、
思わず声をあげた
こんなことしたら、バレちゃうって
わかっているのに。
「思ってたよりも感じ良かったよ!
もっと冷たくて怖い人だって思ってた」
彼女はニコッと笑った
可愛いんだよ雪乃ちゃんは。
本当に。
昨日って、いつのこと?
私と朔が話す前?後?
何の話をしたの?
どうやって知り合ったの?
ねえ、朔にもその笑顔を見せたの?

