「ずっと千文ちゃんと話してみたかったの!」
そんな訳ないよ
雪乃ちゃんみたいに明るくて、
いつも周りに友達がいる様な子が、
こんな私と友達になりたいだなんて
そうだ、夢だ!
夢だ夢だ夢だ夢だ夢だ!!!!
必死に手で頬をつねる私を見て、
彼女は「フフッ」と笑った
…痛い。
…夢じゃない。
「よ…よろしくね」
私の口から出た、
精一杯の気持ちがそれだった
彼女は手を振って自分の席に戻って行った
「雪乃ちゃん、雪乃ちゃん」
私は小声で何度も言ってみた
もちろん彼女は気づかないけれど
なんだか"友達の証"みたいなそれが
すごくすごく嬉しかった
友達っていいな
友達って楽しい
友達って嬉しい
小学生や中学生の頃は、
"友達"とはっきり言える存在がなかった
上っ面だけっていう感じで
ただいっつも一緒にいるだけで。
だからさっきみたいに、
私だけに向けてかけてくれる声が
嬉しくて嬉しくて、たまらない。

