とある住宅街にある一軒の喫茶店…。
見た目はごくごく普通のカフェ…。





ドアベルが綺麗な音色でいらっしゃいとなる。




BGMが心地よい…。





そして…。あの店長。





「いらっしゃいませ。」





そして、オススメの紅茶を頼む。
蜂蜜色の綺麗な紅茶…。




イケメンのウェイター…。





後は…。
「ジーちゃんおかえり。」





ゴロゴロと喉を鳴らしている。真っ黒な毛並みの看板猫…。





「じいさん…。渋い。」





そうフラフラと動物好きからこの毛並みのいい猫に付いて行って、このカフェ黒猫を見つけた。






洒落たフォルムの白いカップに金色の鍵型スプーンがまた可愛らしい。





天窓やらステンドグラスがあって…。私の好みだった。





「可愛らしい。」





「えっ?」





にっこりと微笑んだ瞳は蜂蜜色の綺麗な…。





そう…。この時に私は…胸を射ぬかれたのです。
一目惚れ…。
あぁ神様!目眩が…。






「クンクン…。」





足元に擦り寄る黒猫…。可愛らしいことこの上ない。




猫が動きを止める。
一瞬瞳が妖しく光って見えたのは気のせいだろうか?





「じーさん?」






「ゴロゴロ…。」
喉を鳴らしている。もう可愛らしい。メロメロになっちゃっていた。





「珍しいな。ジジがなつくなんて…。」





「そうなんだ…。私猫さん好きだからわかるのかな?」





「クス…。そうかもな。」





私は赤くなりながら紅茶のカップを傾けて隠していた。







「ありがとうございました。」





女の子が出て行ったあと…。
猫が座っていた。
「彼女ですか?」





おもむろに猫は仁王立ちし、
「間違いない…。あの香りはあの方。」





「本当なの?」
真っ黒な髪の毛の女性が尋ねる。





「間違いない…。間違いない…。」





地下室では…。それは現れた。






「扉が…。」





「アルト…。」






「時が来た。」





「ジジ…。それは。」






「全ては鍵の導き出す道を進め。鍵の乙女が示してくれよう。」





二人は頭を下げて消えた。





「ついに始まるか…。」





猫は光七色の扉を見つめた。