《俺様的》彼女の手なずけ方

「さあ、行くぞ」



タクシーが停車した途端、あたしの髪を掴もうとする。



それは以前、ポニーテールがあった場所。



今はおろしているから、掴むところなんてないんだよね。



「尻尾、ないから」



「ハハッ、そうだったな。たまには、またあの髪型しろよ」



「引っ張るから、ヤダ」



「引き寄せやすいんだよ、まぁ…そうでもないか。この方が、ずっといい」



タクシーの降り際に、後ろ髪に手を差し込んできてそのままキスをされる。



触れられた部分から、まるで甘い蜜が流れ込んでくるよう…。



ほんの一瞬のことなのに、幸せに満たされる。



「また、続きは後でな」



そう言い残すと颯爽と歩き出し、一歩先を歩く。



常にあたしをリードして引っ張っていってね。



ナルの導く先には、きっと間違いはないから。



大きくて頼もしい、愛しい人の背中を追うように急いでタクシーをおりる。



あたしの行先には、いつもナルがいる。



この指輪に誓って…ずっとナルだけを愛し続けるから。



全ての役目を終えて、再び出会ったとき…やっと本当の意味であたしたちは結ばれるんだよね。



振り返りながら、あたしに手を差し伸べるナルの腕に、思いっきりしがみついた。



これからも、ずっとずっと愛してる。




end