《俺様的》彼女の手なずけ方

誰っ!?



振り向く前に抱きすくめられる。



「男に、連絡先を気軽に教えるな」



この声はナル!



本当にいつでもどこでも、現れちゃうんだから…。



「ナンパとかそんなんじゃないよ!それにどうしてここにいるの?」



「セナがいなくなったから、血相変えてタクシー拾って出かけたって聞いたら、追わずにはいられないだろ?」



「もうっ…とりあえず行こう」



周りの目を気にしつつ、顔を隠すように階段をおりる。



焦ってたとはいえ、あたしもなんてことをしたんだろう。



冷たい視線が突き刺さる。



「帰ろう」



ナルがあたしの腕を引き、道端で片手を上げてタクシーを停めた。




「けどっ、セナくんを捜さなきゃ」



「見つかったから大丈夫。普段使わない蔵に、ひとりでこもってたみたいだ」



蔵っ!?



そういえば、セナくんの家は庭園のある古風な造りで、蔵もあると聞いたことがあるようなないような。



「見つかったんだ…よかった」



タクシーの後部座席に乗り、背もたれに背を預けながらホウッと息を吐く。