右隣には、ナルが座っている。



「どんなって…それは」



思い出した。



助手席にセナくんを乗せようとしたナルを突破して、強引に後部座席に乗り込んできたんだっけ。



間に挟まれ、両方から違う会話をされることに疲れてきて、寝た振りをしているうちに本当に寝てしまったんだ。



そしてセナくんも。



「ナルとふたりになりたかったの…」



夢の内容を説明するわけにもいかず、そう言ったらナルの表情が途端に緩んだ。



「かわいいヤツだな」



肩を抱き寄せられ、見つめ合う。



「これから学園に戻って、学園長に挨拶に行くんだよね?」



「そうだな、会わなきゃいけない人間がたくさんいる。ゆっくりしたいところだが、イチャつけるのは今だけかも」



イチャつくって!



「車の中だよ?」



「そんなの、関係ないだろ。おい、運転手!目ぇつぶれよ」



「そっ、それ無理でしょ!事故っちゃうよ」



相変わらずの俺様っぷり。




ホント、マイペースだし向かうところ敵なし…だよね?