《俺様的》彼女の手なずけ方

「期待され過ぎて、困ってるんだ?みんなのお手本にならなきゃだもんね」



「そっ、そーなんだよ。三好ならやる、みたいな空気がそうさせる…力任せに殴ったりして…ちょっとは悪かったって…思うよ」



わぁっ、本当は素直ないい子じゃない。



口を尖らせ、拗ねるように本音を吐いた。



「周りが、セナくんを焚きつけるんだ?」



「まーな。それで、みんなから憧れの目で見られるのが、チョー気持ちいい」



うーん、そこが問題。



セナくんを真っ直ぐ見つめて、頭をポンポンと叩く。



「なっ…なにすんだよ」



頬が一気に硬直し、嫌悪感を顕にする。



どうやら、子供扱いされるのが本当に嫌いみたいだね。



「そんなに背伸びしなくても、大丈夫だよ。セナくんは、普通にしててもカッコいいし、みんなを十分引っ張る素質があると思う」



「わかったよーなこと言うな!」



「あたしにもわかるぐらいだから、クラスの子はもっと理解してるはずだよ。それに、尊敬されるって…力とかそんなんじゃないときもあるよ。

ちょっとした気遣いとか、優しさとか。そーいうのでまた違ったセナくんの魅力を見せたら、ファンも増えるんじゃないかなぁ」



「えっ…そうかな。俺のファンクラブ…一応あるけどな」



って、あるんかーい。



さすが三好グループのお坊っちゃま。