学長室には、ひとりの男の子が座っていた。



誰、この子。



中学生…ぐらい?



地毛なのかどうか淡い栗色の髪に、整った顔立ちをした色白の子。



制服は…セレブ学園のものを着ている。



けど、高校生にしては幼いよね。



「あたしに…会わせたいって、この子ですか?」



恥ずかしいのか若干、俯き気味。



「そうなんだ。春から、中等部に入ることになっている。うちの甥っ子でな」



セレブ学園は確か中等部もあったよね。



でも、どうしてあたしに?



「こんにちは~、篠原葵って言います。僕のお名前も聞かせて欲しいな」



顔をのぞき込むと…。



どこかで見たような、殺意を感じる視線を飛ばされた。



「幼稚園児じゃねんだよ。お前、俺をバカにしてんのか?」



ひっ…。