3年間は、長いようで短い。



その間が充実していればこそ。



あたしの3年は、目まぐるしく過ぎ去った。



セレブ学園に戻ったあと、天音ちゃんは大はしゃぎ。



ナルにバラしたことを怒っていると伝えても、全く聞こうとしなかった。



学園からは、ナルと清香さんが姿を消した。



経営に本格的に携わるため、世界の一流たちが集まるセレブ学園の海外姉妹校へ留学したと聞いた。



あのふたりが一緒なのは嫌だけど、噂だしいちいち気にしていられない。



ナルのお父さんの病状も驚くべき回復力で、ニュースを賑わすことはほとんどなくなった。



ナルのいない学園は、すこぶる平和で物足りないぐらい。



セレブ学園はエスカレーター式になっていて、あたしはそのまま大学へと進学。



やるべきことをやれと言われたけど、平々凡々な毎日。




そんなに勉強もしていないし、これでいいのかと思うばかり。



そんなとき、学園長に呼ばれた。



大学の学園長はナルの叔父さんにあたる人。



「やあ、よく来てくれたね。今日はキミに紹介したい人がいるんだ」