その後は、朝まで語り合った。



3年も会えないはずなのに、なんだかワクワクしていて…認めてもらえるなら頑張れる気がする。



こうなったら、やるしかないと腹をくくった。



絶対に、認めさせてみせる。



逃げない道を選ばせてくれたお母さんや学園長には、本当に頭が上がらないよ。



朝になり、早々にナルは旅立った。



空港まで見送り、帰ろうとするあたしにお母さんが何かを渡してきた。



「これ、予約番号よ。もうすぐ搭乗だわ」



「え…なんの話?」



わけがわからない。



「あなたも、日本に戻りなさい。また姉のところで世話になるといいわ」



「なに言ってるの?あたしは、お母さんたちと暮らすんだよね」



「それもいいけど、あんなに嫌がってたじゃない。葵はあっちで暮らす方がらしく過ごせる。学園長も、待っているわ。荷物はすぐに送っておくから」



「それでいいの?もしそうなら、昨日はお母さんたちともっと話すんだった」



バカだな、あたし。



久しぶりに家族に会えたのに、ナルにかかりっきりだった。



3年も会えないのも辛いけど、お母さんたちとだってそんなに会えないんだから。



「いいのよ。葵からは、これまでたくさんの幸せをもらったわ。どこにいても、家族だから。いつでも頼ってきて」



「お母さんありがとう…ワガママ言ってごめんなさい」



お母さんたちとも暮らしたい…けど、あたしにはもう帰る場所ができてしまった。



セレブ学園のみんなと…また、会いたい。



別れを惜しんだあと、あたしは飛行機に乗り込んだ。