どうするのが、あたしの最善の策なのか…。




そんなの考えなくてもわかる。




すぐに部屋を出て、おばちゃんの住む階下へと移動した。




おばちゃんには昨日連絡を入れておいたけど、心配かけちゃうよね。




今は出かけていないみたいだから、置手紙をしておいた。







おばちゃんへ。

ここでの生活、とっても楽しかったよ。
だけどちょっとだけ、ホームシックにかかったみたい。
お母さんの顔を見に行ってくるね。
また、いつかここに戻って来ます。
今までお世話になりました。

葵より






荷物をスーツケースに詰め込み、急いでマンションを出た。




天音ちゃんだけには報告しておかないと。




昨日連絡を入れたときは、『ナル様との愛の逃避行!全力で応援致します!!』なんて返事がきたから、この決断を知ったら残念がるだろうけど…。




自分のために生きることは当然の権利だけど、そうじゃない場合もある。




周りとの兼ね合いも重要で、自分だけで突っ走るわけにもいかないよね。




ナルはそういう人物だと思う。




あたしがいなくても、ナルの生活はなんら変わらない。




けれどナルの世界から、アイツが消えてしまったら…全てが崩れてしまう。