タクシーの中で、ナルはずっと無言。




とりあえず走ってくれと言われた運転手さんも、完全に困っている。




話しかけても、窓の外をずっと見たまま…。




こんなことになって、後悔してるのかも。




だとしたら、ナルには戻ってもらった方がいいよね。




さっきは勢いであんな誓いをたてただけでしょ?




思い切って、話を切り出すことにした。




「ナルだけでも、戻って。あたしは大丈夫だから」




顔を覗きこむようにすると、手であしらわれた。




「俺の視界に入ってくるな」




なっ…。




いきなりケンカ売ってくるの!?




あたしのせいでこんな状況に追い込まれたとしても、そんな言い方ってないよね。