《俺様的》彼女の手なずけ方

気づけばタクシーを飛び出していた。




「そんな言い方って、ないです。ナルの…鳴海さんの突発的な行動は、誉められたものじゃないでしょうけど、だからって欠陥人間なんて、いくら親でも言っていいこととダメなことがあります」




訴えて、通じる相手じゃないってことはさっきのやり取りでわかってる。




それでも…言わずにはいられない。




「生意気な女だな」




ナルのお父さんに言われたかと思えば、言ったのはナルだった。




その顔は笑っている。




傷ついていたらどうしようかと思ったけど…少しホッとした。




そうだよね、こんなことぐらいでナルがヘコむわけないか。




「女が出喋るな。利用する価値のない女など、なんの意味もない」




なっ…。




こんなだから、ナルみたいなバカ息子がのさばるんだってば!




経営者としての手腕は凄いのかもしれないけど、人として最低だよね。



そう言ってやりたいけど、激情されてなにを言われるのかわかったものじゃない。



きっとナルにとっては、マイナスに働くはず。