《俺様的》彼女の手なずけ方

「見逃してくれ…親父」




やっぱり、お父さんなんだね!?




親子の会話を少し聞いていた方がいいのかな…。




出ていこうと思ったけど、今はハラハラしながら、成り行きを見守ることしかできない。




「メス猿にそそのかされ、全てを棒に振る気か。バカな息子よ」




めっ、メス猿って!!




それあたしのことですか?




誰かが入れ知恵してるとしか思えない。




もしかすると、清香さんがあたしのことをお父さんに話しているのかも。




悪いようにしか言われてないだろうし、どう出るか余計に考えるな…。




「一等級のメス猿だけどな?全てを捨てても、俺はこいつと一緒にいたい」




うっ…嬉しいような、そうでないような。




メス猿で話が進んでいくのは、なんともいえない気分。




「お前が全てを捨てるというなら、それでもいい。だが、地位も名誉もないお前のことを…誰が必要とする?」




ひどい…そんな言い方。




ナルの立場がないよ。