《俺様的》彼女の手なずけ方

「足、大丈夫か?よく考えたら、裸足だったよな」




「このぐらい平気。あたしが山猿だってこと、忘れた?」




「ハハハ、そうだった。逆境を乗り越え、どんな状況にも耐えうる野生の山猿だったな」




めちゃくちゃウケてるし。




「それ、誉めてます?」




「これ以上の誉め言葉があるか?俺に相応しい女だって、言ってるんだろ」




いつも通り言い合っていると、ロータリーに1台のタクシーがやってきて後部座席のドアをドアマンが開いた。




「どうぞ」




「お前、先に乗れ」





ナルがあたしをタクシーに押しこみ、続いて乗ろうとしたとき。




「待ちなさい!!」




鋭い声と共に、ナルは黒いスーツを着た数人の男たちに取り囲まれた。