《俺様的》彼女の手なずけ方

「さっき俺は、経営者としての全ての権利を放棄する宣言をしてきた。お前が手に入るなら…俺はもうなにもいらない」




「バッカみたい…」




真面目に、どんな不真面目な話をしてるんだろう。




そんな簡単に、権利放棄なんてできないよね。




そう思うけど…。




それでも全てを可能にしてしまいそうなのが、ナルなんだっけ…。




「そうしてでも、お前が欲しい…」




クスッと笑うと、また拗ねている。




「笑うなよ…真剣なのに」




「わかってる。こんな格好で、あたしも…魔法にかかったみたい。ナルのこと…今日は、王子様に見えるよ…」




「…………」




絶句してるよ…。




だよね、まさかあたしがこんなことを言うなんて。