《俺様的》彼女の手なずけ方

ありえないことの連続に、完全に酔ってしまっているのかも。



いつもなら、拒否してる。



それなのに…近づいてくるナルの顔に見入ったまま、なにもすることができなかった。



唇がそっと頬に触れる。



「えっ…ほっぺなの?」



って、あたし…今、ナルとキスしたいって思った!?



考えたら恥ずかしいけど、そう思ったのは事実。



俺を受け入れろなんて…勝手に、そう思っちゃったよ…。



勘違いしていた自分が恥ずかしい。



慌てて頬から顔を離したナルが、苦笑している。



「いきなりしたら、2、3発ぶん殴るだろ?」



「なっ…殴らないよ…」



顔が…熱い。



見つめられて、さらに鼓動が早くなる。



頬にされるのだって、好きな人からのキスは嬉しいもの。



お姫様抱っこをされ、甘い瞳に見つめられたら…もう、顔がふやけてしまう。



ああ…あたし、やっぱりナルが好きなんだ。



そう、自覚せずにはいられない。