「だからなんだよ」



真っ直ぐな瞳に見つめられる。



「だから…だめなの、こんな…っ」



だめだと思うのに、心の奥底からこみあげてくるものがある。



「世の中の常識とか、ルールとか礼儀とか。もうそんなの、どうでもいい…俺にはお前が必要だ」



ドキドキするセリフを、恥ずかしげもなく言うよね。



相変わらず…自信たっぷりに。



いつものように、突っぱねたい。



だけどそれができない…。



窮地にナルが現れて、溜め込んでいた気持ちが今にも溢れそうになっている。



見上げると、優しい瞳に包まれる。



トクンと、胸が高鳴った。



「俺を、受け入れろ」