「ダッサ」




オブラートに包むことなく、仁が失笑している。





だよねぇ。





それでも本人は、至って真剣なはず。





「わーっ!」





盛大な拍手と共に、壮大なオーケストラの音楽が流れる。





そして、ステージの奥からヤツが颯爽と現れた。





上下にスーツを身にまとい、スポットライトを浴びながらステージの中央へと向かう。





スタンドマイクの前に立つと、色とりどりのライトが、一気にナルに集まった。





すご…。





「俺のステージより派手」




「ウソ」




「ある意味」




仁とクスクスと笑っていると、近くに立っている人ににらまれた。