「ちょっと…外の空気を吸いに来ただけだから。ドレスなんて、ガラじゃなくて」




「俺の質問に答えろよ」




強引に、腕を取られる。




強い眼差しが…胸を突きさす。




ギュっと…苦しくなる。




「あ…」




声が、出ない。




緊張してる?




まさか…ね。




「俺を、ここから奪いに来たって…そう顔に書いてある」




「なっ…バカなこと言わないで…」




そんなわけ、ない。




「そんな…辛そうな顔、するなよ。ウソだっていい…そう言ってくれ」




切なく顔を歪めるナルを見ていると、本音を叫びそうになる。




そうできることなら…。




やりきれなくなって、黙って首を横に振った。




「綺麗だ…」




あたしの髪に、ナルがそっと触れた。




ドクン!と胸が跳ねる。




拒めない自分に驚きつつ、軽く深呼吸する。




落ち着け…あたし。