「あくまで、出席しようと思ったのはあたしの意思。清香さんを責めないで」




「…だったらお前はどういうつもりで?俺を誘惑しに来た?」




「違うよ、そんなんじゃない!あたしは…」




言葉が続かない。




今…手の届く範囲に、ナルがいる。




手を伸ばせば…すぐ、この人はあたしを抱きとめてくれるだろう。




喉の奥まで、出かかった言葉。




どうすればいい?




言ってしまったら…ナルを地獄へ突き落してしまうかもしれない。




それでも、ナルは地獄へ落ちる方を選ぶはず。




だからこそ…言えないんだ。