目覚ましより、かなり早めに目が覚めた。




婚約パーティは夕方から執り行われる。




それまで、どうしようかな。




おばちゃんは今日からお友達と旅行に行くらしく、急いで出かけて行った。




テレビを見ながらリビングでくつろいでいると、電話がかかってきた。




天音ちゃんだ。




『おはようございます、葵ちゃん今どうしてますの?』




『時間までまだあるから、ゆっくりしてるよ~』




『そうですか。わたくし用事があって、直接会場に行こうと思ってるんですが、車をそちらに手配した方がよろしいですよね?』




そうだった、天音ちゃんと行く約束してたんだった。




『大丈夫だよ、おばちゃんがタクシーを呼んでくれる予定だから』




『そうでしたか、それならよかったですわ。そうそう、昨日はメイドが失礼なことを言ったみたいで、ごめんなさい。母の話なんて迷惑でしたよね』




そうだ…天音ちゃんのお母さんが、ウチのお母さんと親友だったこと、話した方がいいのかな。




話し始めると終わらなそうだし、また折りをみて話そうかな。




『ううん、元気もらったよ。天音ちゃんのこと、ホントに心配なんだね。あたしが遊びに行ったから、仲のいい友だちができて嬉しいってメイドさんが嬉し泣きしてたよ』




『もうっ、恥ずかしいですわ。わたくしがボッチみたいじゃないですか。いえ、確かにそうなんですけど』




『アハハ、あたしも同じだよ~。天音ちゃんと知り合えてよかった』




『ホントですか?わたくしもですわ、あっ…時間がないので失礼します。ではまた会場でお会いしましょう!』




そう言って、急いで電話を切ってしまった。




どうしたんだろうね?