「なんと明日!都内の一流ホテルで、ナル様の婚約パーティがあるそうなんです」



「知ってるよ~」



「ええっ、それなのにどうしてそんなに冷静なんですの?

ナル様が他人の物になってしまうなんて。わたくし、ショックで夜も眠れませんでした」



見れば天音ちゃんの目は充血していて、涙目だった。



ホントに、ナルのことが好きなんだね。



あたしもショックだけど…頭で理解している。



気持ちがそこまでついていかないというか、天音ちゃんが言うように冷静かもね。



「婚約パーティには潜入しないの?」



冗談で聞いたつもりが、天音ちゃんがくいついてきた。



「そうですね、その手がありましたわ。葵ちゃんの頼みなら一肌脱ぎます。

三好グループの取引先にインビテーションカードを持っている人がいるかも。すぐに調べて買収させますわ」



ええっ!?



「そういうつもりじゃなくて!」



「だったらどういうつもりですか?」



それはー…。