「葵ちゃん、どうしたんですの?」



ちょうど戻ってきた天音ちゃんが、側にかけ寄っててきた。



そして、周りを確認する。



「ナル様と…なにかあったのですね…お察しします。

話さないと決めた以上、ナル様もケジメをつけられたのでは?わたくしは何時何時も、葵ちゃんを応援しますわ」



ガシッと手を掴まれた。



「ありがとう…その通りだよ、ナルがケジメをつけてくれたの。

あたしたちの中途半端な関係を、断ち切るために…」



涙を拭い、笑ってみせる。



「お辛いですね…」



「心配かけてごめんね。ナルのことは、もういいの。それより、嫌がらせは全て清香さんの差金だと思って間違いないよね」


「そうですね」



「あたしはともかく、関係ない人にまで危害を加えるなんて。清香さんのことを、あたしは絶対に許さない。

懲らしめる、なにかいい方法はないかな」



そのときちょうど、京子さんが料理を乗せたトレーを手に持ち戻ってきた。



「そのことは、あたしに任せて」



京子さん?