だけどそんなことをして、どうなるの?




ナルは、必死で思いを振り切ろうとしている。




あたしのこの不確かな気持ちを伝えても、きっとナルを困らせるだけ。




迷っていると、ナルが一喝した。




「さっさとしろよ!!」




「大っ嫌い…早くあたしの前から消えてよ!!」




あたしはどうして、こんなことを言ってるの?




ナルのことが気になるなら、そう伝えればいいのに。




だけど、これからのナルのことを考えると…それができない。




胸が苦しいよ…。




「わかった…お前は、正直モノだからな。俺もこれでスッキリした…じゃあな」




そのまま、ナルは振り返らずにスカイテラスを出ていった。




あたしは…正直モノなんかじゃない。




たった今…、自分の気持ちに大きなウソをついてしまった。



思い通りにならないのは、ナルの方だよ…。



いつもなんでも、自分で全て決めてしまう。



あたしのことが大切なら…もっと、必死に引き止めて欲しかった。



そしたらあたしだって…。