「視界に入れば、側に置いておきたくなる。だけどそれは叶わないからな…」



あたしは、返事をすることができなかった。



認めることも、否定することもできない。



今までのあたしなら、全否定してた。



けど本音を学園長に話すことで、自分の気持ちに気づいてしまったから。



もう…自分の気持ちにウソはつけない。



ナルのことが、気になる…。



だからこそ…なにも言えない。



どうすることが、ナルのためになるのか。



そんなこと…わかりきってる。



「なんとか言えよ…お前って正直だな。こんなときぐらい、ウソでも俺を喜ばせろよ」



「ウソは苦手なの」