1時間目の終わりを知らせるベルが鳴ったあとすぐに、ソファを立った。



そのときちょうど学園長が戻ってきて、扉を出たところで鉢合わせした。



「もう行くのね」



「はい……さっきは、ありがとうございました」



一礼したあとそのまま歩きだそうとしたあたしを見て、学園長がフッと笑った。



「その分だと、私の話を聞きいれてくれたのね」



「あたし……友達を頼ってみようと思います。いつも、自分ひとりで解決しようとしてきたけど、ひとりよりふたり……ですよね」



「そうね。がんばってね」



「はいっ。あのっ……できれば、ナルとのことは、そっとしておいてください。

あたしも、自分の気持ちがハッキリしないし……」



「わかったわ」



学園長はそう言い残して、すぐに扉を閉めてしまった。








はぁ……。



やっぱり学園長と話すと、緊張する。



今さら、力が抜けてヘナヘナと地面に座りこんだ。



だけどすぐに立ちあがった。



あたしをイジメたヤツに、仕返ししてやる!ぐらいの勢いじゃなきゃダメだよね。



うん……。



あたし、がんばろう。