ナルとあたしの、最初で最後の夜。



こんな形で終わってしまったけど、



仕方がないよね……。



だってあたしは、ナルの気持ちに応えられない。



ナルにとっても、



きっとこの方がいいはずだよ。



婚約するのは、あたしが学園に入る前から決まっていたことだし、



それに従うことを、



ナルの周りにいる人たち全員が望んでいるはず。



一時の感情に流されて、



道を踏み外すなんて、間違ってるよ。



あたしが学園を出れば、



きっとなにもかもがうまくいくはず。










あたしはそう……



思っていた。