「終わった?冗談言うなよ。夜は、これからだぜ?」



甘い表情で、あたしの腰を抱く。



「い……嫌だぁ」



「そういう条件だっただろ。お前が俺を煽るから悪い。結婚しろとかそんな条件出されて、負けられるか」



あたし、ナルを本気にさせちゃったんだ。



あんなこと言うんじゃなかった。



「嫌でもなんでも、もうお前は俺のモノ。ホテル予約してるから、今すぐ行こうか」



「はっ……はいぃ!?ホテル!?」



「それとも俺のマンションに来る?初めての夜だしな、葵の好きな場所でシようか」



はっ……初めての夜とか、シようとか……。



ぎゃーっ!!ムリ!あたし、ムリムリムリ!!


ブンブンと顔を横に振りまくる。



「頭が余計悪くなるぞ?」



「よよよっ、余計は余計よっ!!」



「噛んでるぞ?で、どこがいい?」



「どっ、どこにも行かない……」



「往生際の悪いヤツだな。無理やりにでも、連れていくから。

俺には人生を賭けるような条件をぶつけてきて、お前はそれかよ。随分だな……」



「それは……。だって……そんな、あたしの気持ちがついていかない……」



ナルと……?



そんな……。