《俺様的》彼女の手なずけ方

「ナルは、遊園地は何年ぶり?」



「俺か?今日が初めてだ」



「えぇっ!?」



やっぱり……そうなんだ?



「驚くなよ。両親は忙しくて遊園地なんて連れていってくれなかったな…俺も、意地張って連れていけって言わなかったし。お前は?」



「あたしは、何度も……あと、友達と行ったり」



「そうか。遊園地は、デートの定番だしな」



「でっ、デートじゃないよ。女の子の友達とだよ」



説明する必要なんてないのに、思わず言ってしまう。



「なら、お前にとって……俺が初めての男?」



「変な言い方しないでよ」



「そうなればいいのにな……。お前の初めてを、全部俺で埋め尽くしたい」



「は……はぁ!?」



なんか良からぬ想像をしてしまって顔が熱くなる。



「あたしのファーストキス、奪ったくせに」



「そうだな。俺も、好きな女とした初めてのキスだから。あとで、セカンドキスしようか」



ニッと笑ってあたしに小声でそんなことを言ってくる。



「じっ、冗談じゃないっ!」



「冗談だろ。本気にするなよ」



ハッ……そうだったんだ。



あたしひとりが焦っていて、余裕のナルに振りまわされる。