《俺様的》彼女の手なずけ方

遊園地の外から見えている、まっさかさまに落ちるコースターを指さす。



「のぞむところだ!泣きごと言うなよ?」



ニヤリと笑うナルに、あたしは口を尖らせる。



「どっちがよ。あたし、遊園地の乗り物を怖いと思ったことないから。なんでも来い!」



「おー」



ナルに促され、遊園地の中に入る。



ちょうど遠足で来ているのか、中学生が園内に溢れていた。



だから制服のあたしたちは、目立たずにすんだ。








列に並ぼうとしていたら、ナルはいきなりコースターの乗り場へ向かっていく。



「ちょっと、どこに行くの!?」



「乗りたいんだろ、これで乗せてくれるだろ」



ナルが万札をチラつかせる。



「ばっ、バカ!どこのバカよ。そんなことする人、見たことないよ!?並んで乗るの!それに、チケットを買ってこなくちゃ」



「へぇ」



なんだか不服そうなナル。



この人、もしかして遊園地に来たことがない?