《俺様的》彼女の手なずけ方

「これ、どうしたの!?」



「これか?お前への餌付け」



「ってペットじゃないし!それより、どうしてここのクッキーを?」



「清香が好きで、よく取り寄せてるからな。うちにもくれるんだよな」



清香さんの好きなお店なんだ……。



やっぱり、昨日のことは清香さんが絡んでるのかな。



疑うのはよくないけど、あたしのことを一番良く思ってないのは清香さんだもんね。









「ウマいぞ」



ナルはあたしの手から包みを取り、クッキーを取りだす。



「今は、いらない…」



「そう言うなって。食えよ」



無理に押し付けられ、昨日のことが頭をよぎって気がたって、つい強く手をはらってしまった。



「いらないって言ってるでしょ!?」



「…………」



ナルにニラまれ、あたしは顔を背けた。



ホントはこんな態度をとりたいんじゃない。



それなのに、昨日のことが清香さんかもしれないっていう苛立ちと、


ナルの強引な態度に、思わずそうしてしまった。



「こんな時間……無駄なのに。こんなことをされても、あたしの気持ちは変わらない」


ナルの目を見ないまま、そう吐きすてた。