《俺様的》彼女の手なずけ方

優しくされて、ホッとしたのか一筋の涙が頬を伝った。



「おばちゃん、お母さんみたい…」



ひとりで日本に残って寂しかったのもあって、ホームシックにかかったのか涙腺が緩む。




「そういえば、葵ちゃんのママにもよくこうしてたわ」




「え?」




「葵ちゃんのお母さん、学生の頃はセレブ学園でよく嫌がらせにあってたの。

いつもモテてね…彼氏をとっただとか、言いがかりをつける子がいてね。きっと、そんな感じなんでしょ?」




「うっ…」



そんなような感じではある。



「って……あれっ、あたしのお母さんもセレブ学園だったの!?」



「そうよ。知らなかったの?」



「知らなかった……」



だってウチはお金持ちでもないし、お母さんもセレブじゃなくて普通のおばちゃん。



「言ってなかったのね。葵ちゃんのお母さん、強かったわよ。よく相手をひっかいてたから、山猫って呼ばれてたの」



へえぇ…。



お母さんもおてんばだったんだ?



猫の方が猿より聞こえがいいかも、なんて余計なことを考えてしまう。