「おばちゃん、あたし…」


「やっぱり転校生ってだけで、良く思わない人もいるのかもね。

特に葵ちゃんはかわいいから、目の敵にされるのよ」


おばちゃんはクスッと笑うと、あたしに温かい紅茶を出してくれた。


「かわいくないよ…学園で、ちょっと目立ち過ぎたかも。迷惑かけてごめんね」


「いいのよ、さぁクッキーをどうぞ。戴き物なんだけど……キャアアッ!!」


えっ、なに!?






おばちゃんがクッキーの箱を開けると、中から茶い物体が見えた。


「おばちゃんは、向こうを向いていて」


箱の中には、なにかの虫が入っている。


「これ、どうしたの?」


「よく行くお店から送られてきたの」


箱の蓋を閉めたあと、包装紙を確認する。


送付状の送り主の欄には、手書きで有名なお店の名前が記載してあった。


「お店からなら、手書きって違和感があるよね」


「そうね…」


信じられない、誰がこんなこと…。


きっと、あたしへの嫌がらせだよね。


そうじゃなきゃ、こんなことありえないもん。