「やだ、やめて、やめて。あたしは、ナルとは住まないよ」


「そうか…残念だな」


「だから、付き合う話が先だよね」


「あぁ」


「その返事、今ここでしてもいいかな」


真っ直ぐ、ナルを見つめる。








断るつもりで、そう言ったのに。


ナルがなんだか一気に、辛そうな顔になった。


「…もう少し、のばしてもいいか?まだ…あと一週間ある」


早く決めろ、時間がないって言っていたのはナルの方なのに。


ズルいよ…。


ナルは手にしたカフェオレを飲み干したあと、


手持ちぶさたな様子で、ずっとカップを右に左にと何度も持ち替えていた。


…ナルにも、怖いことがあるのかな。



あたしに断られたら怖いっていう気持ちが…。