「うん、一応……」



家を出るときにおばちゃんから手渡されたお弁当が、カバンの中に入っているけど、


天音ちゃんのお弁当を見ると、出し辛いな。



「今日、転校生が来ると聞いて、料理長に作らせたんです。

ウチの料理長のお料理は最高なので、葵ちゃんも一緒に食べて下さいね」



「ウチの料理長って……」



「家にわたくし専属のシェフがいて、その一番偉い人のことです」



さすがに料理長の意味はわかるけど、家にシェフって……。











「いっ…家にシェフがいるの!?」



「はい。わたくしの毎日のヘアスタイルを決めるスタイリストや、行動を把握している執事、他にもいますが……なにか?」




「ほえ~……」




当然のように話す天音ちゃんを見て、あたしと同じ次元で考えちゃいけないって気がついた。