「よく言われます。かわいいっていう言葉は、天音のためにあるよねって。

お父様も、お兄様も、いつもわたくしのことを誉めて下さるの」




ウフフと笑う天音ちゃんが憎めない。




うん……確かに、かわいいしね。













たまりかねたように、サギくんが失笑してる。




「天音~、世の中には天音よりかわいい子なんていっぱいいるよ?」




「そうですね…葵ちゃん、わたくしよりかわいいし」




えっ、あたし!?




「それはナイナイ!あたしより、天音ちゃんの方が断然かわいいよ~!」




「そんなことないです!葵ちゃんの方が……」




ふたりでお互いのことをかわいいって褒め合う姿は、




クラスメートからしたら、異様な光景だったと思う。