みんなが一列に並び、この間のことを思いだす。



そう言えば、京子さんがあたしにヒドいことをしたとき…ナルがこうしてたっけ。



あのときは冷や冷やしたけど、今は落ち着いたモノだ。



だってあたしはやってないし、それにセレブ学園に物を盗んだりするような人がいるわけがない。



みんなお金には困っていないはずだし、きっと持ち主の勘違いでどこかに落ちていたりするはず。











「あった!!これよ、あたしの時計。お父様が、誕生日の記念にとわたしの名前を彫ってくれていたの」



見つかってよかった……と思ったのも束の間。



「葵ちゃん……あれって、葵ちゃんのカバンですわ」



天音ちゃんがあたしの腕をギュッと掴む。



え……あたしの?



そんな、なにかの間違いじゃ…。



目を凝らして見ると、それはやっぱりあたしのカバンだ。