「ゴメン…今は、ひとりにして欲しいの。整理がついたら、きちんと話すから」



天音ちゃんの気持ちが泣けるほど嬉しい。



だけど、自分の気持ちがハッキリしない間は、あたしはなにも言うことができない。



「わかりました。わたくしは、葵ちゃんの味方ですから、いつでも…話してくれるのを、待っていますね」



寂しそうな顔を見せたあと、天音ちゃんは屋上を出ていった。










天音ちゃんが友達でよかった。



この学園に来て色んなことがあったけど、



天音ちゃんっていう大切な友達ができた。



それだけで…



もう、いいよね。



あたし…



お父さんたちのところに行こう。



このままここにいたら、ナルもあたしもツラい思いをするだけだから。



あたしが自分のホントの気持ちに気がつく前に、



早くここから逃げ出したいよ……。