《俺様的》彼女の手なずけ方

「ホントにその通りだよ…あたし、清香さんに言われたの。

篠原葵が、ナル様の財産を狙ってるって。だけど、篠原さんはそういうつもりじゃなかったんだよね」


京子さんが、あたしを見てニッコリと微笑む。


「当たり前でしょ!?財産どころか、ナルのことだってどうでもよくて…」


「どうでもいいとか、言うなよ」


拗ねるように言うナルのことは、今はとりあえず置いておこう。





「ナル様は、清香さんと仲がいいと思ってたけど、違ったのね。

この際言うけど、あたし…清香さんに指示されたの」



「えっ、清香さんが!?」



「そう…篠原葵にいやがらせをして、学園から追い出せって……。それが、ナル様のためだって。

ホントは、篠原さんにもっと早く言わなきゃいけなかったのにね」



「そうなんだ……あたしは平気だよ」



清香さん、ホントにあたしのことが嫌いなんだね。



そうだよね、ナルの気持ちがあたしに向いてる限り、疎ましい存在なことには間違いないか。