《俺様的》彼女の手なずけ方

まさか…ね。


「だけど、お前は違った…」


「え…あたし?」


「そう。俺が学園のVIPだって知ってても、媚びることも、態度を変えることもなかった。

ただ弱いヤツに味方して、間違ってる俺を正そうとしてきた」


「それは…ホントに酷いことをしてるって思ったからだよ」


「それでも、他のヤツで口出しするヤツはいなかったからな。

俺が学園のVIPじゃなければ、止めたヤツもいただろうけど。

だから、お前だけだった…純粋に、俺のことを見ていたのは」


「いや…だって、それは…」


「損得で、相手への態度を変えるヤツが嫌いなんだよ。

清香は、まさにその典型的な女。

もし俺が相続放棄したら、どんな顔するかな。アイツの第一声は、「もったいない!」だろーな。ハハッ」


ナルが笑うのと、京子さんが吹きだすのは、


ほぼ、同時だった。