《俺様的》彼女の手なずけ方

「清香がウチの親父の仕事を俺の全てみたいな言い方するからな、

会社を継ぐ気はないから、弟の勝と結婚すれば?紹介してやるよって言ったんだよ」



「……えっ?」



「俺には弟がいて、親父のあとを継ぎたがってるからな。俺は親父の仕事には全く興味もないし、本音を言えば継ぎたくない。

清香は昔からそうなんだよ。口を開けば、利益だのなんだの、うっせーの。世界シェア№1?そんなのどーでもいいっつの」



はぁ……?



「清香さんに…そんな言い方したの?」



「アイツは、俺自身には興味がないんだよな。三好家の長男である俺が好きなだけだろ?」



平然とした顔で言うナルに、開いた口が塞がらない。



「きっと、そんなことないよ。あんなに真剣に告白してたのに…」



「俺、思いだしたんだよな。なんでアイツのこと、好きじゃなくなったのか」



「え…」



「確かに、ガキの頃は清香のことが好きだった。隣に住む、優しくて笑顔のかわいい、お姫様みたいな女の子っていう印象だった」



――ドキッ。



ナルの口から他の女の子を誉める言葉を聞くだけで、胸がドキッとした。